学問のすすめ (岩波文庫)福沢諭吉 ¥ 588 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
学問のすすめ (岩波文庫) | |
| 読書の目的: 小林秀雄著「考えるヒント」などにたびたび出てくる"福沢諭吉"。至近で、日本円の札面を一新したときも、変わらず肖像であり続けた"福沢諭吉"、その実像に迫りたかった。 読後感、感想: 檄文。震えました。しかし、まだ消化し切れていない。 意訳された文章ではなく、原文で読んでほしい言です。文章の意味だけではなく、語感、語調、行間を含め、文章全体から発せられるメッセージを、体全体で感じてほしい。 自分が日本人であると、改めて体感したことがある人は、是非、読んでみてください。逆に、自分が日本人であると、改めて体感したことがない方は、あまり、ピンとこないかもしれません。(感覚的なコメントですみませんが...)今から100年以上も前に、これだけ幅広い見識を持っていた日本人はそういなかったでしょう。文句なしに読む価値のある本です。最近、就活で経営者の話を聞く機会が度々ありますが、福沢諭吉の影響を受けている方が多いように思います。 福沢諭吉が生きていた頃は明治維新のまっただ中で、欧米に追いつこうとするために身分に関係なく学問を重視してこの国を強くしようとした時代です。福沢諭吉... | ||
武士道 (岩波文庫)新渡戸稲造 ¥ 483 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
武士道 (岩波文庫) | |
| 桜の花は日本を象徴する花である。そして武士道も、その桜の花と同様に 日本の地に独自に咲いた花である。 よく外国の人に、宗教はと尋ねられ“無宗教です”と答えると “アンビリバボー!”言われるそうだが、 そういう時は“チェリーブロッサム!”と答えようかと思う。 それでも相手は“それは何?”と言うだろうから “チェリーブロッサム=騎士道”と答えようかと思う。 教義とか信条とか宗教によるものを持たない日本人の道徳感、倫理観は 何百年も武士に育まれたものであり、消え去るものではない。 アメリカ流の勝ち組、負け組の中にどっこい生きてる大和魂 現在の偏りをなんか変だと思っている方が今一度読んでみてもいい本です。 新渡戸稲造の武士道は英文で書かれたものですが、この本では、左側に須知徳平の日本語訳、右側に原文が見開きになっており、比較が容易です。英語は文語が使われているため辞書なしでは読めません。日本語訳は著者が出典を触れていないものも訳注を加えた上で、和歌なら日本語の原文をそのまま載せるなどしており、丁寧な訳です。著者は、武士道は深遠な哲学に欠ける(よりどころとなる... | ||
武士道 (PHP文庫)新渡戸稲造 ¥ 520 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
武士道 (PHP文庫) | |
| 昨日は”武士道”を読了した。欧州にはキリスト教、中国インドには仏教、中近東にはイスラム教があるが、日本はほぼ無信教であり精神の拠り所とするものが無いと思っていた。本書によるとそれに相当するものが武士道、神道ではないかとのことである。義、勇、仁、礼、誠、忠義等他人を思いやる言葉ばかりである。日本人の和を尊ぶ、共同体的社の良さのルーツだと思う。改めて日本人のよさは武士道にあるのではないかと考えさせられた。日本は鎌倉時代から江戸時代の大変長期にわたり、一時期を除いて武家が支配する国であった。そして、武士道はその根幹を支えた思想である。ところが、武士道というのは、それそのものが聖書のような経典によって書かれて受け継がれてきたものではない。孔子の教えなども武士道の一部であって、すべてではない。しかも、当時の人たちはもうこの世にはいない。よって、武士道を知らない人がそれを知ろうとすれば、一般的には、「忠臣蔵」などの物語や史実をたどることによって断片的に理解を重ねてゆくか、あとは本書を読むのが手っ取り早い方法ということになる。 本書は、下級武士の家に生まれて海外で活躍した新渡戸が、日本についてあ... | ||
日本の思想 (岩波新書)丸山真男 丸山眞男 ¥ 735 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
日本の思想 (岩波新書) | |
| 既に多くのレビューが書かれているので、ここでは2点だけ雑感めいたことを。 1点目は、昔の新書は難しかったのだなぁということ。最近の新書はすっかり雑誌化していて、平易な反面で内容の薄いものが大半だが、本書、特に第1章と第2章は、その抽象度の高さと論理展開の複雑さという点で、手加減無しに難解である。一読了解できる人がいるとすれば、相当頭のいい人に違いない(私には到底ムリ)。1961年の初版以来、80刷を超えるロングセラーとなった本書だが、読者のうち少なくない部分は、実は第3章と第4章の講演部分しか理解していないのではないかという疑いを抱かずにはいられない。 2点目は、丸山真男の釣り師性ということ。「あとがき」に書いてあるが、本書第1章の一部記述は、当時の文学者の神経をひどく刺激したらしい。というのも、(おそらくは東大を念頭に置いて)文学部出身者の法学部出身者(典型的には官僚)への劣等感が、日本文学の「抽象的・概念的なものへの生理的嫌悪」を生んでいると論じたからである。本書に限らず、丸山の著書には他人のコンプレックスを逆撫でするような記述が最低一箇所は含まれている。洞察力鋭敏な丸山が気... | ||
学問のすゝめ―人は、学び続けなければならない福沢諭吉 ¥ 1,365 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
学問のすゝめ―人は、学び続... | |
| 原文は当時としては簡単な読みやすい方に属する書物らしいのだが、現代人にはちょっと敷居が高い。したがって、現代語訳は大助かりである。これなら、すごく読みやすい。考えてみれば当然だが、慶応出身の教授による現代語訳である。 しかし、けっこう強烈な内容の本だ。明治維新を駆け抜けた俊才の迫力が伝わってくる。はっきりいって、「ドラゴン桜」の桜木より凄い。超アグレッシブで、硬派で、快活で、そしてシンプルに、時代を超えて読者の向上心とハングリー精神をあおっている。すっかりものわかりがよくなった今の大人たちにはなかなか見られないエネルギーが伝わってくる。 骨子はシンプルだ。人間は元々皆同じように何も知らずに生まれてくるのであって、その後にちゃんと勉強するかどうかで差がつくのだ、だから勉強しなさい。して、どうせ勉強するなら、和歌とかよりも、物理や経済や工学などの役に立つ学問、「実学」の勉強に力を注ぎなさい、という。何より、なぜ勉強しなければいけないかを、幅広い視点から、素人にもわかりやすく説いている。そう、この「なぜ勉強しなければいけないのか」について、広い視野で、説得力ある言葉で語れる人が、現代の... | ||
新訂 福翁自伝 (岩波文庫)福沢諭吉 富田正文 ¥ 798¥ 384¥ 980 ★★★★★ |
新訂 福翁自伝 (岩波文庫) | |
| いわずとしれた福沢諭吉翁の自伝。大学時代には何かこう敬遠して読めなかったが、社会人生活も長くなりふと手に取ったところ、ようやく完読を実現し、「宿題」を終えたような気分。それにしても、このからっとした爽やな読後感はどうだ。この一書から学ぶべき第一は、何物にも囚われない自主自立の精神の大切さであろう。私も幕末から明治時代に生まれて、彼のように自由に生きたかった。若い人には是非読んでもらいたい。一つの人生で二つの時代を生きた「良識の大家」福沢諭吉の精神の平衡力に脱帽。内容が痛快、読んでいて素直に楽しい本でもあります。一万円札になった理由は・・・本人が知ったら悲しみますよね。" 50歳になって初めて読んでいては悔しいばかりなのですが、それでもとても役に立ちました。理屈っぽいところもありますが、応酬話法の基本を感じさせてくれる喋り方は面白かったです。大変な時期に重要な助言を与え続けてきた立場の人なのですが、とても身近な印象を抱かせる普通のお酒大好きオジサンだったのが判りました。小学生高学年からでも読んでもらいたい本ですね。私の頃には野口英世やエジソンでしたけれどねぇ。誰もこの本を薦めてくれな... | ||
[現代語抄訳]言志四録佐藤一斎 ¥ 1,260 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
[現代語抄訳]言志四録 | |
| 西郷隆盛の伝記や西郷南洲遺訓を読みすすめていたとき、この書の存在を知った。一言で言うと「ただただ素晴らしい」 口先だけの偽の師ではなく、自ら実践していた真の師に感服。 なかなか日常で守れない教えばかりだが、やっぱりできることから守っていかないといけない。温暖化対策にも似た気持ちかな。本書は、佐藤一斎の言志四録から抜粋して、現代語訳をつけたものです。 訳もわかりやすく、初めて言志四録に触れる人にも、とっつきやすいです。 心の芯を打たれるような言葉があふれていて、読後感がいいのはもちろんのこと 心の姿勢を正したくなる、喝を入れたい時に読み返したいものだ。 この本で興味を持ったら、 文語でしっかり読み込み、全条読んで、佐藤一斎を感じましょう。 佐藤一斎(さとう・いっさい)の弟子に佐久間象山がいて、孫弟子に 吉田松陰がいる、というポジションの人。 一時、月刊プレジデントやPHP(松下電器の社長訓の流れ)あたりで さかんに取り上げられた、老子・朱子学・陽明学の教義書であります。 本書はその現代語訳を大書し、原文を小さく併記したもので、読みやすく 親切なガイドブックであります。 暗い夜道にぶ... | ||
世界に誇る日本の道徳力―心に響く二宮尊徳90の名言石川佐智子 ¥ 1,890 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
世界に誇る日本の道徳力―心... | |
| 二宮金次郎を見直して、金次郎に学ぼう!尊徳に学ぼう! 今こそ、世界に誇れる日本の民主主義の祖である尊徳の実践哲学、 その残された名言をあらためて見つめ味わおう! キーワードは報徳、心田開発、至誠、分度、推譲、勤労、積小為大、 一円融合。 これらのキーワードの意味を知るだけでも実践哲学が身につくのではないか? 結論はこれだと思う。 :天地自然の経文から学べ! 不書の経、すなわち「もの言わずして四時めぐり、百物なる」ところ の経文に引き当ててみて、まちがいのないものを採り、まちがってい るものは採らない。 尊徳さんを、真に知り、その偉大さは本物で、素晴らしいと解った。 | ||
風土―人間学的考察 (岩波文庫)和辻哲郎 ¥ 735 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
風土―人間学的考察 (岩波... | |
| 和辻は「寒さ」の現象を考察してこのようにいう。 「我々は寒さを感ずる前に寒気というごときものの独立の有をいかにして知るのであろうか。それは不可能である。我々は寒さを感ずることにおいて寒気を見いだすのである。しかもその寒気が外にあって我々に迫り来ると考えるのは、志向的関係についての誤解にほかならない。」 「寒さ」を感じることにおいて「寒気」を見いだすという。これは逆に言うこともできる。「寒気」を見いだすことにおいて、「寒さ」を感じる、と。このことは、天気予報を考えれば、このことも事実であることに気づく。それは、寒気がわれわれに接近することを告げる。この場合は、寒気というものが独立に存在しているのである。したがって、志向関係はどうでもよいことになる。わざわざ志向関係を述べる必要はない。 モンスーン、沙漠、牧場と3種類の風土を湿度の点からまとめ上げている。その論理、切り口は鋭く、舌を巻く。完全に湿度を絶対的な基準として風土を規定しているのだ。その後でモンスーン的風土について詳しく語り、そこから更に、東西の芸術について風土の点から説明を展開する。 章の始めにまずそこで焦点となる単語の説明... | ||
後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)内村鑑三 ¥ 525 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
後世への最大遺物・デンマル... | |
| ●後世への最大遺物 内村鑑三先生が、若者向けに 「何を後世に残すか? 金?事業?思想?」 を講演した講演録。 途中、恩師のクラーク先生(「少年を大志をいだけ」の)のくだりが出てきておもしろい。 ーーーーーーーーーーーーーー クラーク先生を第一等の植物学者だと思っておりました。 <中略> ある学者が、クラーク植物学について口を利くなどとは不思議だと笑っておりました。 <中略> とにかく先生は非常な力を持っておった人でした。 どういう力かといいうと、すなわち植物学を青年の頭につぎ込んで植物学という学問のInterrestを起こす力を持った人でありました。 ーーーーーーーーーーーーーー ●デンマルク国の話 狭い国土をドイツとの戦争に敗れて、3割方失ってしまったデンマルク国、残されたものは荒れ果てた北海道の半分くらいの土地だけ、その国が何によって、世界に胸を張れる大国になったか? 一人の敗軍の兵士ダルガスが、 「外に失いしものを内において取りかえさん。我らの世代であの荒野をバラの花のさく豊かな土地にするのだ。」と叫び、祖国復活の掛けに出たのです。 哲学者... | ||
五輪書 (岩波文庫)宮本武蔵 渡辺一郎 ¥ 525 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
五輪書 (岩波文庫) | |
| 大きな ワイド版である。 活字も大きく、注釈もわかりやすい。 なぜ「五輪書」と名付けられたのかがわかる。 実に、詳細に、武蔵は、兵法に関して書き残したことか。 声をだして、読むと リズム感があり、気持ちいい。 もっと早く読むべきであったと悔しい思い。 具体的であり、武蔵の思考過程がよくわかる。 最後の「解説」は、格調高く、具体的である。 晩年の武蔵は 「がん」であったらしいと述べられている。現代語でありませんので, まだ五輪書の内容を知らず,きちんと理解したいと思うなら, わかりやすく解説された本を先に読んでおいた方が良いです。 しかし解説者の思想などが混入していないシンプルなものを 読んでみたい場合は手頃なのでは。 ちなみに字が大きいです。 これを読んだからといって、強くなれるわけではありませんが、この本を読み、その意味するところを心に刻み込み、日々の鍛錬を積めば、万の道において大成すること間違いなしです。 難しいことは何も書いてありません。剣術のノウハウも、レビューにある構えについて以外は概略程度しか書かれていません。殆どが、戦いの際、「勝つ」ための心構えに... | ||
本居宣長〈上〉 (新潮文庫)小林秀雄 ¥ 700 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
本居宣長〈上〉 (新潮文庫) | |
| はっきり言って、おもしろくない。人の感じ方は千差万別だから決め付けるつもりはないが、これが小林秀雄の最高傑作だ、というのは、内容とは別の思い入れがあるとしか思われない。たしかに、比較的最初のところで、宣長に到る江戸思想史のようなものが語られ、そこはなかなか読み応えがある。そのうえ、「科学」として「生活」からどこか遊離していくような近代の諸科学とは違って、個々の個性と生活に結びついていくような「学問」のあり方が、示唆的であり、確かに「何か」に触れるような予感が与えられる。が、基本的には冒頭の折口信夫との勿体つけた書き出しとか、信念・思い入れが先行しまくっている全体の論調は頂けない。「モオツアルト」や過去の諸作品の中の良くない部分が総括されたような悪さだ。なによりも「退屈」なのだ。どんどん引き込んでいくような牽引力は、話の面白さか、でなければ、悪戦苦闘してでも発露しようという強固な「思想」への意志がなければ、まず無理である。「考えるヒント」のなかの徂徠らの小編はむしろ見事で、あのように語る古学との邂逅を、本書に期待したが駄目だった。著者はたまに鴎外の史伝に言及することがあったが、もしかす... | ||
「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)九鬼周造 ¥ 588 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
「いき」の構造 他二篇 (... | |
| 本書を斜め読みして、「男はつらいよ」の寅さんを連想した。 マドンナにすぐ恋をして、江戸っ子のかっこよさにこだわり、すぐに恋をあきらめてしまう。媚態と意気と諦めの「いき」そのものといっていいかも。茶色の背広(縦縞ではないが)と青色のダボシャツも「いき」な色だ。 日本人の心に「いき」への憧れは根付いていることにあらためて気づいた。 「いき」のキーワードは「媚態」「意気地」「諦め」の3つ。 異性に対しての「媚態」を基調とし、 武士道の理想主義の表れである「意気地」、 仏教の非現実性としての「諦め」を内包したものが、 「いき」という概念であり、日本人特有の意識現象である。 著者の「いき」に対する考察力に気迫すら感じたこの本。 「いき」の要素を六面体にして表したところなど、 発想の仕方がすごい! ここまで踏み込んでものごとを考えられる著者の勇敢さ、 鋭さに驚いた。ぜひ参考にしたい。 面白いです。最初のページを読み出した瞬間から九鬼氏の言葉が驚くほどするすると脳に入っていく、こういう快感を最後に味わったのはいつだろうか?うーんちょっと興味は有るけど、なんかむずかしそー。と思ってるそ... | ||
本居宣長〈下〉 (新潮文庫)小林秀雄 ¥ 700 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
本居宣長〈下〉 (新潮文庫) | |
| 本著は大学生の時に江藤淳教授の推薦図書か何かで読んだ記憶があります。小林秀雄氏の著作であるという観点から読まれる方だけではなく広く歴史に興味がある方にも読んでもらいたい1冊です。小林秀雄著と聞くと、難しそうではないかと思いこんでしまいますが歴史が好きなら、なんとおもしろい本なんだろうと間違いなく思います。歴史好きには是非お薦めしたい1冊です。 | ||
人生と陽明学 (PHP文庫)安岡正篤 ¥ 580 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
人生と陽明学 (PHP文庫) | |
| 本の初頭から「なるほど」と思えることが書いてあり、読み応えがあります。また陽明学といえば「知行合一」といわれる知行合一について、今まで漠然とした観念しか持っていなかったのが、具体的に書いてあったので、良くわかり、陽明学の入書としてもお勧めできます。ただちょっと難しい語句もあり、いろんな話題を集めすぎているせいか、退屈と思える場所もしばしば・・・。とはいっても私がまだ未熟なんですけどね。???江戸時代初頭の日本に伝わり、警世の学問として、また革新性をもつ思想として、体制批判の論拠となった経緯をもつ陽明学。本書では、東洋学の大家で陽明学研究の第一人者である著者が、その神髄を講話形式で説き明かし、現代の日本に大きな意味を与える学問思想として浮かび上がらせている。 ???陽明学の始祖である王陽明は、中国・明代の後半に世に出ている。著者は当時の状況を、皇帝の側近である宦官がはばをきかせて政治は衰退し、学問・教育は「立身出世のための功利的学問・暗記型の生命のない主知的学問」に堕していたと指摘。「そういう中にあって厳として、失われた道徳を回復する、真の人格をつくってゆく、という意味で真の聖賢の学問... | ||
集中講義!日本の現代思想―ポストモダンとは何だったのか (NHKブックス)仲正昌樹 ¥ 1,071 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
集中講義!日本の現代思想―... | |
| 本の構成については、商品の説明がしっかりしているので、そちらを参考にして頂き たいが、80年代思想の前史(日本思想史)を語る中で80年代思想を位置付けていく叙述 に4割、80年代思想そのものを語る中で位置付けていく叙述が4割、80年代思想の後史 が1割といったところで、後史が物足りない感がある。 ただ、後史の叙述自体、それまでの叙述に対し面白みに欠けるので、確かに膨らます 必要はなかったかもしれない。 文体は易しく分かりやすいので、入門者であってもかなり読めそうであり、著者の実力 が伺える。 80年代思想をかじった人であれば、もうすらすらと楽しく読めるお薦めの一冊だと思う。 さて、現代の状況について「強大になった保守」といった叙述があるが、これに対して はちょっと異論がある。 アメリカ的に、共和党支持者のような政府の権限を軍事以外は小さくし市場競争を激化 させるのをよしとするのを右、民主党支持者のようなセーフティネットや福祉政策を重 視し、市場に任せる部分を減らすのをよしとするのを左と考えると、特に右が強大にな っている感じはしない。 ここで定義した右も左も保守だとすると確かに強... | ||
「武士道」解題―ノーブレス・オブリージュとは (小学館文庫)李登輝 ¥ 630 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
「武士道」解題―ノーブレス... | |
| この本の何よりの価値は、こんなになっている日本に、外から叱咤激励してくれる人がいる、ということ自体にあると思います。決して高所から、おいこら、と叱り付けるのではなく、親身に、同じ目線でとくとくと語りかけてくれるありがたさです。 星をひとつ減らしたのは、読み手側の問題ですが、むつかしくてわかりにくい、ということです。 たぶん、平たく言えば、 「自分さえ良ければいいとは思わず、もう少しみんなのことを考えなさい。恥を知りなさい。どうしてもやらなければいけないことは、勇気をもって実行しなさい」 といったところではないでしょうか。 文庫になったことですし、若い人にも、ぜひ読んでほしい本です。 モンゴルで教養があり政治・市民運動家である友人が、“日本固有の価値観”である「武士道」は、言葉のあや・技術に頼らず正直・誠実を旨とする“実践道”であり、そこから多くを学んだと話してくれます。李登輝氏は元台湾総統としてインパクトをもって「武士道」の価値とここから日本人の徳を映し出します。日本人として素直にありがたく、一方自分自身を正される思い…。それは日本人の持ち物として本来己自体に息づいているべきが、... | ||
善の研究 (岩波文庫)西田幾多郎 ¥ 735 通常24時間以に発送 ★★★★ |
善の研究 (岩波文庫) | |
| 端的に私が『善の研究』の西田に感じる問題点を列挙する。 1.宇宙をこの宇宙に限っていること 2.実在概念に物理学が相対化しきれていないこと 3.動物と人間との関係を軽視していること 4.人格の不完全性が解明されていないこと 5.対となるべき悪の研究が為されていないこと 6.意識に直接作用する存在は何であるかが言明されていないこと 7.歴史的宗教への言及が不十分であること 量子力学もハッブルの法則も西田の生きた前世紀前半には既に既定の事実として理論化されていたから、宇宙をこの銀河系、太陽系、地球の属するこの宇宙に限っていることは、他方で物理的実在に言及する以上、ちょっと理解が浅すぎるのではないか、と思われる。 全編に貫かれる意識主義によって、西田哲学の主眼は人間の意識主義に限定され、ともすれば動物蔑視の文言が散見されもし、人間が動物から進化したものである歴史を踏まえていない上で、また、現世を動植物と共有している世界を飛び越して、即宇宙と人間が繋がるという論理にもどこかに飛躍した欠陥があるだろう。 それもこれも、出版社の要請に応じた講義録の寄せ集めによって成った本書の性格から... | ||
三酔人経綸問答 (岩波文庫)中江兆民 ¥ 693 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
三酔人経綸問答 (岩波文庫) | |
| J・J・ルソーの『社会契約論』を翻訳したことで知られる中江兆民の代表的著作。 本書では、瑣末な政策ではなく、政治の理念を追求している。 洋学紳士、豪傑君、南海先生の三人が酒を飲みながら、政治の議論を交わす、という のが本書の基本的な構成である。洋学紳士=理想主義者、豪傑君=現実主義者と見な がら読み進めることができる。ただ南海先生は、両者とも実情から離れた"非"現実的 な考え方だと退けている。 洋学紳士や豪傑君の唱える極論が出ることは今日ではないが、似たような論戦はそこ かしこに存在する。政治学を学ぶという目的で読むには本書での議論があまりに体系 化されてないため難しいかもしれない。だが、自らの政治的視座を養うという目的の ためならば、今日でもその意義は衰えることのない一冊であろう。基本的な政治形態やその思想を学べる問答本とはいいながら、それら以上に時に言葉のひねりに思わずニヤリとし、時にその深みのある文学的表現に感心できる本は、これをおいてまずほかにないだろう。 「剣をふるって風を斬れば、剣がいかに鋭くても、ふうわりとした風はどうにもならない。私たちは風になろうではありま... | ||
新編 東洋的な見方 (岩波文庫)鈴木大拙 ¥ 798 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
新編 東洋的な見方 (岩波... | |
| ワイド版は良いです。同じ内容でも活字が大きくなり余白が大きくなっただけで、わかりやすくなったような気がします。鈴木大拙のこの本を読むと根本的なものに触れたような気がします。学生時代、鈴木大拙に初めて触れてから、すでに20年以上たつが、未だにすべてを理解することができない。ただ、彼の思考に触れるたびに、仮に同じ書物を読み返す場合であっても、自分の思考が確実に深まることを実感できる。経営の現場にいて、特に米国生まれの概念や手法に触れるたびに覚える違和感の源泉を解明する鍵がここにある。彼の書籍との付き合いは、一生続くと思う。日本人として誇るべき偉大なる先達の労作である。 日本よりも海外でその名を知られる、禅のスポークスマンのような感のある、鈴木大拙による小論集。控えめではあるが、その批評の切っ先は鋭く的確で、人の本性を暴き、禅との関わりの中で、世界、日本、人間存在、日本人について論評している。 ときに、禅を過大に評価し、日本人を卑下するような言葉も見受けられるが、太平洋戦争を現実体験した人間に許される特権として、許容される程度のものであるから、著者の批評を損なうものでは全く無い。東洋的思想... | ||